風雲児 (ふううんじ)
15席のカウンター席だけで1日500人超えの「風雲児」!イタリアン、フレンチを経てラーメン業界でも活躍!食べログ口コミ数も10本の指に入るラーメン屋!
店名
風雲児 (ふううんじ)
住所
東京都渋谷区代々木2-14-3 北斗第一ビルB1F
席数
15席(カウンター席のみ)

風雲児 (ふううんじ)
15席のカウンター席だけで1日500人超えの「風雲児」!イタリアン、フレンチを経てラーメン業界でも活躍!食べログ口コミ数も10本の指に入るラーメン屋!
店名
風雲児 (ふううんじ)
住所
東京都渋谷区代々木2-14-3 北斗第一ビルB1F
席数
15席(カウンター席のみ)

 ラーメンに関わらずうどん、そば、パスタ、ソーメンなど、もともと麺類全般が好きだったんです。でも、ラーメンは食べるのは好きだったんですが、自分でラーメン屋をやろうとは全く思っていませんでした

 なぜかというとイタリア料理をずっとやってましたし、ホテルでも働いていたというのがあります。ホテルでは今とは全く違う感じで、支配人をやってましたしね。

 それで、東京ラーメンストリートで有名なダブル店主でやっている「麺屋七彩」の坂田店主と藤井店主がいるんですけど、この2人はイタリアンで僕と同僚だったんです。この2人はラーメン屋で修業をしたこともなく独学でラーメンを埼玉でやり始めて有名になり、テレビ東京の「ラーメンチャンピオン」で準優勝をした方なんです。

 その方から、たまたま「神奈川に有名ラーメン店を食べ歩きにいくんで、良かったら一緒に行きません?」っていう連絡をもらって一緒に行ったんです。その時に、2、3軒ラーメン屋をはしごしていて、いろいろな薀蓄を聞かされ、ラーメンに対してそんな見方をしたこともなかったんですが、知り合いがやってるっていうこともあってラーメンに対する見方や考え方が変わっていきました

 一番記憶に残っている言葉があって、「三宅さん!スープって面白いんですよ。イタリアンとかフレンチってソースのバリエーションが決まってますよね?数学でいうと方程式がある程度決まってますよね?でも、ラーメンはそれが全くなくて宇宙と一緒なんです。変な話、コーヒー豆入れようが、牛乳入れようが、イノシシ入れようが出来上がった一杯が旨かったらいいんです」って言われたんです。

 その言葉を聞いて、「確かに自由っていうのはおもしろそうだな~」って思い、「ラーメンをちょっとやってみたいな~」っていうのが芽生えたきっかけです。だから、ラーメンを始めたのはこの言葉がきっかけで彼らがいなかったらラーメン屋をやっていないでしょうね

 でも、前職でイタリアンやフレンチをやっていたので、いろんな方に「前職でイタリアンとかホテルマンをしていたことを言うのは嫌じゃないですか?だって、栄冠のあるというか成功している人がラーメン業界に来るっていうこと自体、普通は無いから挫折して来たんじゃないかって思われるでしょ?」って言われました。

 それを聞いて、「あっ!?確かにそういう見方もあるな。ラーメン屋って脱サラして開業とかが多いしっ!」って思いましたね。笑

 でも、僕は彼らがいたからラーメンを開業するに至ったんですよ。

 開業することを決めてからは、まず物件探しを始めて物件を決めて内装業者を決めてと進めていくんですが、僕は前職でスーパーバイザーで店舗の立ち上げをずっとやっていたので、店舗の導線決めとかはスケルトンの状態でも頭の中にイメージができちゃうんです

 例えば、「ボールがこれくらいの大きさだからシンクはこれくらいの大きさだな」とか、「ゆで麺機は麺をあげた時に自分が右利きだから左側に必要だな」とかそういうのが頭の中に瞬時にイメージができるんです。だから、そういう部分で苦労はしなかったですね。

 ここの物件はそんなにいい物件じゃないんですが、借りれるところがなかったというのはありますね。前職では取締役としてやっていたし、会社の実績も信頼あるので、以前は店舗を借りることはそれ程苦労しなかったんです。でも、会社を辞めると信用もないので借りるのもなかなか難しい部分もありました

 でも、「風雲児」が軌道に乗ってくると不動産屋さんの方から、物件の話がどんどん来るようになりましたね。「なんだそれ」って感じですよ。笑

 この「風雲児」は2007年の9月にオープンしたんですが、ラーメン屋で修業したこともなく何もかも知らなかったので、“麺バリカタ“とかも知らないし、お客様の方が詳しいという状態でしたね。笑

 だからオープンしてから全てが決まっていったという感じです。オープンする前に、「業者さんとかを呼んでロールプレイングとかレセプションをして雰囲気を掴んだ方がいいよ」とは言われてたんですけど、一切しなかったのでオープンした時にスタッフの子が、「海苔トッピングはどこに盛り付けましょう?」って言うから、その場で即興でやりましたね。その辺は

 この「風雲児」のスープのウリは、豚を一切使っていないということです。今は、2012年くらいから鶏白湯ブームが来ていますけど、この「風雲児」ができた7年前くらいは鶏白湯は流行ってはいませんでした。

 なぜ、オープン当時から鶏白湯ラーメンをやり始めたかと言うと、食べ歩きを一緒に行った中の一人が豚骨ラーメン屋さんの前で、「この豚骨の匂いは無理だ・・・。店に入れない・・・。」って言ったんです。

 僕は、豚骨ラーメンも好きだから、「え!?何が無理なんですか?」って聞いた時に、「この豚骨の獣臭が苦手で・・・店の前で待っとくよ」と言ったんです。その言葉が脳裏に焼き付いていたので、自分がラーメン屋を開業する時にラーメンを普段食べない人や老若男女に受け入れられるラーメンを追求し始めたら、鶏になったんです。

 でも、当時から魚介の効いたドロッとした濃厚な豚骨スープが流行っていたので、鶏でそういうスープが出来ないかと考えた時に鶏白湯に行き着いたんです。

 それに僕は四国の愛媛出身なので、讃岐うどんのダシの効いたスープを出したいと思ったんですね。だから、初めて食べた人も「お!美味しい」と思ってもらえるラーメンにしました。まぁ~10人食べて10人全員が「美味しい!」とはならないですが、7人くらいは「美味しい!」と言ってもらえるものは出来るはずです。

 麺に関しては、「大成食品」さんにお願いしていて、これまで5回くらいマイナーチェンジしているんですが、イタリアンのパスタのようなアルデンテの食感と讃岐うどんのようなコシをイメージした麺になっています。

 7年前はどちらかというとちょっと柔らか目の麺がオーソドックスだったんですが、今は芯が残るアルデンテじゃないと、ゆで過ぎと思われちゃうじゃないですか。だから、つけ麺もラーメンの麺も硬いのが普通になってきていて、その硬さがお客様達にはウケるということが、イタリアンの経験からわかっていたんです。

 だから、イタリアンやフレンチでやっていたノウハウはラーメン屋をやるのにすごく活かされているんです。ただ太い麺ならいいという訳ではないんですね。

 かえしはラーメンの心臓部みたいなモノで、スープは修業して真似されても全然いいんですけど、かえし醤油はこの「風雲児」のラーメンの肝になるので、言えないですね。笑

 だって、この「風雲児」のかえしを他の店に持って行って、賄いの時に入れて食べたら、そこの店員さんがウチのより「風雲児」のかえしで作った方が美味しい!っていうことも実際にあったくらいなんで、このかえしだけは極秘ですね。

 まぁ~ダシ醤油という感じで、椎茸などを入れて味を取っているんですけど、内緒です。笑

 このかえしも味玉の味付けもインスピレーションで出来てしまうので、試作を1回して決まりました

 だから、オープンするまでの試作期間はめちゃめちゃ早かったですね。むしろ、内装に力入れて提灯やディスプレイ、制服のデザインとかに時間がかかりました。笑

 全てオリジナルでやっていますからね。

 「風雲児」は今、1日500人を超えるお客様に来て頂けていますが、最初から行列があった訳ではありませんよ。口コミで集客が増えていったという感じで、雑誌やメディアではないんです。だから、食べログを見ると口コミ数がラーメンだけじゃなくて、イタリアン、フレンチ、焼き鳥、焼肉など全部含めて10本の指に入っている程なんですよ。

 それは何故かっていうと、それだけ話題性があって来店して頂いたお客様が何か書きたくなるくらい驚きとか面白さがあって、誰かに伝えたいと思うからだと思います。

 まず、オープンの時には味じゃなくて私の風貌を見て、ホストだとか美容師だとか、さすが新宿とか言う風に広がっていきました。

 最初は、テレビの取材が来ていろんな取材にも応えていたんですが、今はラーメンに関わらない取材には一切出ないようにしていますね。

 15席のカウンターで500人のお客様を回していくにはいろんな工夫が必要なんですが、作りながらお客様がどのメニューを食券で購入されるかを厨房からしっかり見て、つけ麺のボタンを押したら麺をゆで始めるとか細かな部分にも配慮しています

 それに、厨房の動きやすさなど細部にポイントはあります。この「風雲児」はそんなに行列にならないんです。やっぱり行列ができるからいいという訳ではなく、いかにお客様に並ばずに食べて頂けるかという方が重要ですからね。

 今まで苦労したこと言えば・・・というか今も苦労続きですよ。やっぱり、ラーメンは毎日味を安定させることが非常に難しいんです。今でも、スープでも麺でも毎日完璧に同じにはならないんです。だから、寸分狂わず同じにはならないですが、ストライクゾーンにはまるようにブレずに毎日作ることが大変です。

 お客様の層は、ラーメンフリークの方が嫌がる層が多いです。例えば、カップルとか女性のお客様ですね。だから、私が考えている“一般のお客様に多く来て頂けるラーメン屋”というコンセプトとはマッチしたお客様に来て頂けていると思います。

 男性と女性の比率で言うと、男性6割、女性4割くらいですね。だから15席の12席くらいが女性でうまることもよくありますね

 リピート率も5割くらいで新規のお客様が5割という感じですね。「風雲児」では接客も大事にしているので、こういう結果になっているのかと思います。やっぱり、ただ食事をするというだけならレンジでチンして食べるだけでも今の時代美味しいモノはいっぱいあります。

 でも、「何でお金を払ってわざわざそこの店に足を運んでくれるの?」って言うと、そこの行きつけの店の笑顔であったり、語らいというか心というかホスピタリティがあるからそこに行こうとなると思うので、そこは大事にし続けていかなければならないと思いますね。

 今までの会社もそうだったんですけど、店舗を出店して誰かを店長に任せるパターンはあまり上手く行かないことが多いんです。何故かというと“本気”じゃないからです。“本気”っていうのは自分で決断することであり、人の指示や命令だとどうしても嫌々になるし、本気にはなれないと思います。

 でも、「僕はこういう風な店をやりたいんです!」という熱意があればそういうステージを与えていってもいいと思っています。

 私の決断で「風雲児」を展開するから、誰かに任せるってなるとそれは営利目的になってしまうし、お金稼ぎのためだけになり絶対にダメになるし、「風雲児」に泥を塗る結果になってしまいますからね。

 でも、熱意があって「本当にそれはいける!」って思えばラーメンに関わらず、出店などのサポートはしていきたいと思っています

 

【三宅店主 談】