極麺 青二犀
わずか8席、オープン半年にして軌道にのった!   地域密着型小店舗の成功の秘訣とは!?
店名
極麺 青二犀
住所
大阪府吹田市末広町21-53
席数
カウンター席8

極麺 青二犀
わずか8席、オープン半年にして軌道にのった!   地域密着型小店舗の成功の秘訣とは!?
店名
極麺 青二犀
住所
大阪府吹田市末広町21-53
席数
カウンター席8

 今日は何をお話すればいいですか?オープンして半年の新人なので、皆さんみたいにお話できることはないんですが。少しだけお話しますね。

 

 

 私が今年で36歳の店主の森山です。よく店主っぽくないって周りから言われまして。手伝ってもらっている28歳のスタッフの方が貫録あるでしょ、彼の方が店主に間違えられることもあるんですよ(笑)

 

 僕がラーメン業界に入ったのはアルバイトがきっかけです。出身が兵庫県の朝来市という田舎なんですが、大学の時に尼崎に出てきて、何かバイトをしようと思ったんです。

 もともとレストラン等の接客業が好きで、コンビニでもバイトしたことがあったんですが、もっと人に関わりたいと思っていた時に友達が梅田のラーメン店で働いているって聞いて、一回見にいきました。

 

 そしたら、イメージと違って、おしゃれな店だったんです。そのお店はもうただんでしまったんですが、メニューの字も凝っていて、おもしろそうだなっと思って、求人広告を見て、自分も働くことになったんです。

 

 その時から今の店のようにラーメンの味だけじゃなくて、おしゃれな雰囲気も必要だなって思ってました。

 ただ、その頃は今みたいにラーメン屋が多くなかったので、めちゃくちゃ忙しかったんですよ。その店ではあっさりめのとんこつラーメンを出していて、昼も夜も営業していたんですが、僕は夜の営業だけしか働いてなかったので、仕込まれていたものを出していたっていう感じですね。

 

 だからラーメン自体にはそこまで興味がなく、いずれは飲食店か何かをやりたいなと思ってました。

 

 そして大学卒業する時に本格的に働かないとって思い、結局その店で社員になって、30歳までそのお店で働くことになりました。

 社員になって、昼の営業も担当することになった時から、初めて包丁を使うようになって、スキルに関する興味もでてきました。

 

 そして、いよいよラーメンの道に行こうかと・・・普通は思うと思うんですが、実はその頃もまだ将来は居酒屋で働こうと思ってました(笑)

 

 ただ、漠然とスキルアップしたいという気持ちがあったんですが、どうしたらよいか分からなかった時に、そのお店がたまたまテレビ取材を受けることがあって。それを見て、自分でも他店さんを食べ歩いてみようと決意して、40~50軒まわりました。

 そしたら、やっているうちにもっとおいしいラーメンを知りたいっていう気持ちが出てきて、その頃からスープやトッピングにも興味を持つようになりました。

 

 そして今から5年前の30歳の時に食べ歩きをしていた中で1つ大阪の繁盛店のスープがめちゃくちゃおいしかったんです。

 

 それで、たまたまその時に募集してたんで、これしかないって思って、応募してみたら受かって、働くことになりました。今のスープやたれの基礎はそのお店で学ばせてもらいました。

 そして、だんだんと自分でもラーメン店を開きたいという独立願望が芽生えてきたので、働きながら家でもスープを作っていました

 

  ただ、その時に嫁にとんこつのスープの香りがきついって怒られまして、でもまだ作りたかったんで、真冬だったんですが、窓を開けてやっていたら、嫁が風邪をひいてさらに怒られました(笑)

 

 そして、2013年の5月に4年働いていたそのお店を辞めて、そ

 吹田にしようと思った理由は地域密着でやりたいと思っていたからです。そのため、大阪市内とかは考えてなくて、近くの千里丘に住んでいたから、江坂が一番いいかなと思ってました。

 

 だから、江坂周りをちゃりんこでまわって、今の店舗(8席)の規模を探しました。それで、今の店舗の場所を見つけたんですが、そこも昔はラーメン店があったことを知っていたんですが、あんまり流行ってなかったんです。だから、自分で別にもう1軒いい場所を見つけて、紹介してもらったラーメン専門の内装屋さんとその場所を見に行ったんです。

 ・・・しかし、見事に内装屋さんに辞めとこうと断られたんですね

 プロの目で見てだめならだめかなと思って。そしてその帰り道の車の中で「そういえばもう1件あるんですが、・・・多分無理だと思いますよ」って内装屋さんを連れて見に行ったら、「ここいいやん」って言われて(笑)

 

 自分ではぴんときてなかったんですが、一応店舗に貼り紙をしていた空き物件に書いてあった不動産屋さんに連絡して、見積もりをお願いしたんですが、何か月も連絡なかったんで、その間にも探していました。

 

 ただ、探しているうちに、あの場所がいいかなってだんだん魅力的に思えてきて、その不動産屋さんに積極的にアプローチしたら、家賃も10万弱だったんで、決めました。

 うちのラーメンのスープは鶏だけで、メインは清湯と白湯のスープがあって、醤油と塩のかえしがあります。

 

 最初から鶏しか考えてなかったです。とんこつは美味しい店が多くて自分では超えられないと思っていたし、嫁と二人で作ることを考えても、厳しいと思っていました。

 

 スープでこだわっているところは清湯も白湯も一緒にスープを作っているんですが、清湯は鶏がらだけで、白湯はそこからさらにもみじを入れて、作っています。野菜は入れていません。

 醤油ラーメンは地元朝来市の石川醤油と和歌山の三ツ星醤油を使っています。そこに塩や酒、みりんを入れています。

 

 塩ラーメンは貝類や煮干類に調味料を合わせています。貝はあさり、かき、ほたて、いたやがい、煮干はたいやえびです。

 

 トッピングでこだわっているのは醤油ラーメンのチャーシューですかね。お客さんに喜んでもらいたいんで、大き目に切ってるんですが、お客さんが「でっかい」と一目見て驚いてもらえることがひそかな楽しみです。

塩ラーメンは鶏のチャーシューを使っています。

 麺は知人に大和製作所さんを教えてもらって、自家製です。自家製の方が絶対おいしいし、オリジナリティもありますよね。

 

 今の店舗は居抜物件だったんですが、スケルトンにして、大和さんの製麺機にもこだわったので、結局オープンするのにだいたい1000万円くらいかかりました。

 

 そうしているうちにオープンの日が近づいてきて、醤油ラーメンはできたんですが、塩ラーメンは納得できなくて、納得できるものができたのはオープン2、3日前でした。ぎりぎりでした(笑)

 オープン当初は本当に来てくれるのかなとめちゃくちゃ不安だったんですが、なんせラーメン作りに忙しかったので、宣伝は手が空いた時に店舗前で配ったチラシくらいですかね。それでも100枚は撒いてなかったと思いますよ。

 

 オープンするために国金さんから融資してもらっていたんですが、国金さんには1日50杯いければ、ペイできるって言われて、厳しいかなと思っていました。

 そして、オープンして、最初の週は1日140名もお客さんに来店してもらいました。めちゃくちゃ嬉しかったんですが、一人で仕込みをやっていたので、オープンした週は身体がもたなくて1日休んでしまいました。

 

 お客さんに申し訳なかったのですが、1日1時間程度しか眠る時間がなかったので。でも休んだ日も仕込みをしていました。

 

 今では営業時間を短くしたこともあって、少し落ち着いて平日は約100名、休日は120~130名のお客さんに来ていただいています。

 オープン当初は嫁と二人で店をまわすつもりだったのですが、急きょ1人スタッフに手伝ってもらって(店主みたいにみえる彼です)、今は2人で作っていて、週2回だけ嫁にも来てもらってます。

 

 当店は誰でも食べられるラーメンを作りたかったので、女性のお客さんも多くて、男女でいうと7:3くらいですかね。

 

 小学生3名だけで来店することもありますし、リピータの方もいらっしゃって、毎日でも来ていただける方もいてありがたいです。

 今後は店舗展開しないで、ずっとこの店舗だけでやって、地域の方に愛されるラーメン店を目指したいですね。だから、外からでも麺場を覗けるように窓もつけて、クリアにしています。

 

 今振り返ってみると、なんとなく入ったラーメン業界だったんですが、僕はラーメンしか知らないんですね。だから、料理の基本はラーメンのみです。

 

 自分のラーメンはまだ完成形ではなくて、試行錯誤中です。

 

 僕も店もまだまだアオニサイです 。

 

【森山店主 談】